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▽活動実績
1)学習活動支援
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3)情報発信(プレスリリース)
2007.3.10 海のインタープリター
  養成講座 報告・討論会

   [詳細報告]
2007.3.10 海のインタープリター
  養成講座 報告・討論会

   [開催速報]
2007.3.10 海のインタープリター
  養成講座 報告・討論会

2006.9.15 続・海のトリビア
2006.4.19 日本船舶海洋工学会
  との意見交換会

2006.3.28 初等教育における
  海洋教育支援の試み

・2005.10.5 海のトリビア記事
   (日本海事新聞)
・2005.7.22 海のトリビア記事
   (日本経済新聞社)
・2005.7.11 海のトリビア記事
   (日本教育新聞社)
・2005.7.5 海のトリビア記事
   (東京新聞)
・2005.6.27 海のトリビア記事
   (日本教育新聞社)
・2005.6.8 海のトリビア記事
   (日本海事新聞)
2005.3.31 海のトリビア
2004.8.3 ワークショップ
  「海に学ぼう」を通して

2004.7.20 第6学年
  総合的な学習「海を探る」

2004.7.20
 実践報告協働のススメ

2004.7.16 シップ・アンド・オーシャン
  財団の取り組み

2004.3.15 研修会報告
  連続ワークショップ「海に学ぼう」

2004.3.15 生物の多様性より
 多様な理想像に期待して

2004.3
  海洋教育拡充に向けた取り組み

・2003.11.15 総合的な学習の
  時間に干潟を学ぶ

2003.8.13
  さまざまな視点から海を学ぼう

2003.3 海に学ぼう
  平成14年度 事業報告書

・2002.3.15 総合的な学習の
  時間における海の利用状況調査

2001.8.20
 海岸での体験学習に向けて
icon 活動実績 〜情報発信〜

■□「体験から学ぶ」を海から考える
〜海のインタープリター養成講座 報告・討論会〜 [詳細報告]


環境教育や自然体験活動に注目が集まる現在、自然公園等を訪れる人に対し、楽しく有意義な自然体験の機会を提供することはもちろん、自然を大切にする心を育み、自然に優しい生活の実践を促すため、物言わぬ自然が発する様々な「言葉」を汲み取り、人間の言葉に翻訳して伝える役割を担う「インタープリター」が注目されています。ビジターセンター等の公立施設を始め、民間の自然学校、エコツーリズム事業、さらには教育的なNGO・NPOの取り組み等の中で、インタープリテーションは急速に普及しています。

海洋政策研究財団では、これまでの海洋教育促進事業を通して、「体験から学ぶ」ことは非常に重要であると考え、「体験から学ぶ手法の一つであるインタープリテーションが海洋教育の促進に役立つのでは」との仮説の基に、継続性のある人材育成のための手段として、このインタープリテーションの概念を応用した人材養成のプログラム(以下、海のインタープリター養成講座)を作成しました。さらにこのプログラムの精度を測り、学校を含む地域社会が海洋教育に継続的に取り組むための有効なツール開発の一助とするとともに、海のインタープリター普及推進のための手法開発及び環境作りのための支援体制の構築を図ることを目的として、異なる環境を持つ地域でプログラムを試行いたしました。

これらの取り組みのまとめとして、2007年3月10日、日本財団ビル1Fバウルームにて、『「体験から学ぶ」を海から考える〜海のインタープリター養成講座 報告・討論会』を開催いたしました。全国からさまざまな背景を持つ方々約70名にお集まりいただき、開かれた和やかな雰囲気の討論会となりました。当日のプログラムは以下の通りです。

12:30 開場・受付開始
13:00 1. イントロダクション 本会の趣旨と狙い・実施経緯
13:30 2. 海のインタープリター養成講座 実施報告
    2-1. 海洋政策研究財団 堀口 瑞穂
        「上越市と取り組んだ狙いと今後の見通し」
    2-2. 上越市教育委員会 生涯学習推進課 渡辺 由美子
        「「知的探求心の醸成」とインタープリテーション」
    2-3. B&G財団 事業部 海洋教育課 田邉 宏
        「「体験から学ぶ」を提供する為に」
14:15 3. パネルディスカッション:「体験から学ぶ」を地域に広めるヒント
      進行:田村 学
      パネリスト:渡辺 由美子、山下 聖和、古瀬 浩史
    4. 総合討論:海洋教育の普及と「体験から学ぶ」
    5. まとめ
16:00 閉会

■イントロダクション

最初に海洋政策研究財団の堀口より、会の趣旨などについて説明させていただきました。学校教員や大学関係者、博物館職員、財団職員、一般市民など多様な方々が集まり、その興味も海洋教育の指導者養成システムや、多様な海の情報をどのように効果的に伝えることができるのかといったことから、学校現場で岩盤掘削について伝えていきたいなど具体的なものまで、多岐にわたりました。しかし、「体験から学ぶ」を継続的に提供していきたいという思いは一つであり、そのために未来志向で今を見直すというスタンスで参加していただくようお願いいたしました。

■実施報告1:「上越市と取り組んだ狙いと今後の見通し」
          海洋政策研究財団 堀口 瑞穂

つづけて堀口より、海洋政策研究財団のこれまでの取り組みと、海のインタープリター養成講座事業の概要を紹介させていただきました。

海洋政策研究財団は、人類と海洋の共生をテーマに、海洋政策の提言、海洋に関する様々な研究などを行っている海洋シンクタンクで、海洋教育もその一つの柱として掲げています。学校が海洋教育に取り組み始めたり、取り組み続けたりするために財団ができること、すべきことは何かということを、2001(平成13)年頃から調査し、教員とのワークショップ、教員向けの海岸巡検、実際に子どもと海へ行き学習を行う、様々な海洋教育活動の視察、海のトリビアの出版などの活動を行ってきました。これらの活動を通じて、体験から学ぶことが非常に重要であると考えていたのですが、まさにインタープリテーションには体験から学ぶを実践するために大人がすべき工夫がたくさん含まれていると感じたのです。そこで、2006(平成18)年度に、日本財団、B&G財団、自然教育研究センターと共同で、上越市と知覧町をフィールドとして、海のインタープリター養成講座を試行いたしました。対象は子どもたちに学びを提供する大人とし、想像してから観察するなどの体験を通して、子どもに学習のモチベーションを湧かせるコツなどの研修を行いました。

この試行を通して私たちが学んだことは、体験の機会に対して効果を明示することが求められ始めているということと、「体験と学び」を「体験から学ぶ」に変える鍵を作ることは可能であるということです。「体験から学ぶ」というキーワードは、「体験する」だけよりも、社会教育の場に適合しやすく、受け入れられ易いものです。体験だけでは参加してもらえない人にも、体験から学べますよと提案することで、より参加してもらいやすくなるのではないでしょうか。

■実施報告2:「「知的探求心の醸成」とインタープリテーション」
          上越市教育委員会 生涯学習推進課 渡辺 由美子

       
試行のフィールドとしてご協力頂いた、上越市教育委員会 生涯学習推進課 渡辺 由美子さんより、社会教育の実践者としてのお立場から、上越市における社会教育の取り組みと、海のインタープリテーション養成講座を受けたご感想などを以下のようにご報告いただきました。

上越市は、2005(平成17)年1月1日に周辺14市町村(全国1の合併自治体数)の合併により誕生しました。四季の変化がはっきりしており、多様な自然を有し、また、上杉謙信のふるさととしても有名で、その豊富な地域資源を21万人の市民が活用できるような事業を目指して、「謙信キッズスクールプロジェクト 海と山と大地の学校」という社会教育事業を展開しています。

週末や長期休暇中に体験を提供するだけではなく、多様な体験を提供してもらえる地域の人々の協力を得てより多くの興味を引き出し、その基礎的な体験を基盤として専門的な学習を進めることで、その方面の大学や研究機関に進んでもらえるような、「知的探究心の醸成」というテーマで活動のレベルアップを目指しています。海の学校のほか、星の学校、雪の学校、酒の学校、森の学校など、16の学校を開校しています。

海の学校では、約40kmという長い海岸線を活かし、多様な体験(浜下駄体験、刺網体験、磯釣り、水族博物館での学習、サケのつかみ取り、海洋高校の教員によるサケの生態の学習、サケの稚魚の観察)を行っています。子どもの日記によると、1つ1つの体験を印象強く感じているようです。保護者からは、海が近いのにあまり知らなかった、体験の幅が増えた、家庭での海の話題が増えたなど感想が聞かれています。来年も同じ学校に参加したいという声もあり、参加者の学びたいという気持ちを多少でも引き出せたのでないかとも感じています。

一方で、知的探求とはそもそもなんだろうか?低学年の子どもの場合、体験から学びにつなげるためにはどうしたら良いか?行政職員と講師の間の温度差があるのではないか?といった課題もあります。その一つの答えとしてインタープリターがあるのではないかと考えました。研修を通じて、知的探求追求という言葉を強く意識しすぎていたと反省しています。難しい講義をすることよりも、子どもの発見を作ることが重要で、逆に社会教育だからこそ、ゆっくり「なぜ?どうして?」と考えるプロセスを提供でき、そうすることで子どもたちの学びは無限に広がるのではないかと思うのです。特に4つのT(楽しい、体験、ともに体験をわかちあう、地域性)を大切にし、大人が子どもたちを教育するのではなく、活動の場を提供し、子どもたちのもっと知りたい、学びたいという気持ちを喚起させ、より充実した場にすることができるでしょう。また、上越ならではの学びを提供することで、いずれふるさとに戻りたいと思えるようなものにすることもできるでしょう。今後もプランニングや事業運営の方法を学び、プロジェクトのレベルアップを図るためにインタープリターの講座を設ける予定です。

■実施報告3:「「体験から学ぶ」を提供する為に」
          B&G財団 事業部 海洋教育課 田邉 宏

知覧町の海洋センターにおけるインタープリター養成講座にご協力頂いたB&G財団 事業部 海洋教育課 田邉 宏さんより、B&G財団の概要と活動、その中におけるインタープリテーションの位置付けなどを以下のようにご報告いただきました。

財団法人ブルーシーアンドグリーンランド財団は1973(昭和48)年3月にモーターボート競走の20周年記念事業として設立されました。青い海と緑の国土を活動の場とし、幼児から高齢者までの健康づくり、特に青少年を対象とした水泳や水辺に親しむ機会と人間形成や体力向上の場を提供することを目的としています。全国にネットワークを持ち、400市町村に480箇所の地域海洋センターを有し、ヨットやカヌーを楽しむ海洋クラブを300箇所運営しております。また、地域海洋センターの修繕助成、指導者養成、スポーツと健康事業、センタークラブ支援事業、ネットワーク推進事業、広報事業、海洋教育事業、他団体との連携事業などの活動を展開しています。

海洋教育事業では、体験的な事業として、体験クルーズ、海洋体験セミナー、水辺の活動推進セミナー、水に賢い子どもを育む年間型活動プログラム(水プロ)などの活動を行っています。水プロでは、水を通じ環境保全や安全対策などの大切さを学び、心身ともに健全な発育と、自然環境等に対する意識の向上により水に賢い子どもを育むことを目指して、現在5つの学校(19年度には2校追加)に対するサポート(授業案等の提案、ゲストティーチャー派遣、機材提供、各種情報提供)などを行っています。

以前に比べ、外では遊ばなくなってきている子どもに対して、自然の中で体験させ学ばせる機会を増やし、自然に興味を持たせる機会を提供しようとしています。自然に学ぶサイクル「自然に学ぶ→自然とふれあい自然が好きになる→自然で遊ぶ→自然に学ぶ→…」が崩れている現代において、自然に学ぶ機会を提供することでこのサイクルをスムーズにしようとしているのです。ここにインタープリテーションの手法を導入しようと考えています。

B&G財団では、これまでに海洋指導者を1万6千人養成しており、少なくとも1人づつ各センターに配置しています。彼らにインタープリテーションの手法を取得してもらうことで、子どもに海、川、湖沼や周辺の生物、環境について興味付けさせ理解させる指導法を導入しようと、2007(平成19)年度実施を目指し研修会を計画しております。2006(平成18)年度は、知覧町にて試行を行いました。参加者からは、普段している活動に問題意識を持たせることができる、違う見方を提案してもらった、プログラムについて考えるよい機会になったなどの感想を聞くことができました。さまざまな体験から学び成長することで、自発性、協調性、連帯性、物事への関心、問題の発見、危険を予知するなどの学校や家庭では学べないことを学ぶことができ、つながり意識、社会生活に結びつく豊かな人間性や多様性を身に付けることができると考えております。

■パネルディスカッション「「体験から学ぶ」を地域に広めるヒント」
進行:
 田村 学(文部科学省 初等中等教育局教育課程課 教科調査官)
パネリスト:
 渡辺 由美子(上越市教育委員会 生涯学習推進課 副課長)
 山下 聖和(南大隅町立大泊小学校 教頭)
 古瀬 浩史(自然教育研究センター 主任研究員)

田村 学さんは海洋政策研究財団が海洋教育事業開始当時からお世話になっている方で、文部科学省では生活科、総合科をご担当されています。山下 聖和さんは、鹿児島佐多岬の南大隅町立大泊小学校でB&G財団の水プロを通して、海洋教育を実践されています。古瀬 浩史さんは、自然教育研究センターにおいて、自然観察やインタープリテーション、指導者の養成などの活動をされています。さらに先程実施報告をいただいた渡辺さんにご参加いただき、「「体験から学ぶ」を地域に広めるヒント」と題して、ディスカッションを行っていただきました。

まずは進行より最近の教育界に対するイメージについて問いかけがありました。「基礎学力の向上といわれているが、家庭や地域社会の連携の必要性を感じている」「学校現場や子供たちが多忙なため、社会教育の重要性が高くなっている」「体験を通して心を育てたい」「自然教育から環境教育へと変わり、さらに最近では持続可能な開発のための教育(ESD)などに代表されるように、開発教育、平和教育、ジェンダー、国際理解教育、サイエンスコミュニケーターなど、いろいろなものと統合されつつある。その一つが体験教育であると言える」などの意見が出されました。学力向上が叫ばれている中にあっても、体験学習が重要だと感じているようです。

では、実際に体験が減っているのかどうかというと、「海は危険というイメージがあり、遠ざけてきた」「学校などで場を用意しないと活動の場がない」「地方によって違うと思うが、減っていると思う」「体験の場は豊富だが、体験の場に積極的に出て行こうという子どもたちは減っている。親も参加させようとしない」「危機的に体験が不足している。持続可能な社会と言う観点から自然体験を提供する際、海の自然を守りたいという感覚的な体験が不足している上に知識を積み上げても不安定」「東京ではありとあらゆる体験が提供されているが、地方には少ない」などの意見が聞かれました。地域差はあるものの、やはり体験は不足しているという実感があるようです。

では、体験の持つ価値とは何なのでしょうか。「カヌー体験から救助に役立つと感じたり、着衣泳から人がおぼれているときに役立つと感じる子がいた。他人がおぼれているときにまで考えが及んだことがスバラシイ」「普段は敬遠していたクモを観察することで、大きさや表情が違うなど、生き物に対する愛情が湧いた」「体験至上主義ではないが、体験でしか学べないエリアがある。クモの体のつくりはレクチャーで知識を教えるだけで充分だが、知的探究心や向上心、意欲、コミュニケーション能力などはレクチャーからは学びにくい」「環境教育においては特に重要。レクチャーで東京湾が何故大切なのかは教えることができるが、東京湾が大切だから何かをしようと思ってもらうことは難しい。体験ではそこまで行きたい」などの意見が聞かれました。

実際に、「ビーチコーミングから、自分が掃除をしなくてはならないと思った。ただ、もう1回やりたいとは思わない。体験すればすぐ向上心が高まるというわけではない。繰り返しが大切だと思う」「波浪研究所の方からの話しを聞いて気象について考えるようになり、その方面の大学に進みたいと思った子がいる」などの実践事例もあり、うまくいけば進路にまで影響するようです。逆に「動物飼育は、好ましい状況で行われれば動物との親しみを感じ命に対する尊厳を育むことができるが、好ましい出会いや環境で行われなかった場合、将来的に動物を虐待したりするようになってしまう」といった期待した効果が得られないこともあるようです。

確かに体験には何かの価値があり、とても大事だということですが、どういう風に位置づけ提供するかが重要なようです。そのための課題として、「学校は体験を子どもたちに提供し、お膳立てをしている。そうではなくて、子どもたちがこんなことしてみたいと思わなきゃいけないと思う。きっかけは必要だが、次に繋がる意欲を持ってもらうことが指導者として必要」「成功の体験しかない。必ずうまくいく。失敗の体験もしなくてはいけない。飯ごう炊爨をする時にも子どもたちに自由にさせればいいじゃないかといつも提案するが、ちゃんと昼ごはんを食べさせたいからと手を出してしまう」「社会教育の場合、年間を通して4,5回の活動で、2ヶ月に1回くらいしか活動しない。活動外の時間にいかにその意識を継続してもらうかが課題。日誌を書いてもらうなどのコミュニケーションを取り続ける努力が必要」という意見が聞かれました。

■総合討論:海洋教育の普及と「体験から学ぶ」

最後に、「海洋教育の普及と「体験から学ぶ」」というテーマのもと、パネリストと会場を交え総合討論を行いました。まずは会場の興味を把握するため、紙とペンを配り、海洋教育を普及するために必要だと感じていることを「○○を○○する」という形式で書いていただきました。代表的なご意見を取り上げながら、次のような議論が交わされました。

まずは、学校と支援機関の橋渡し役が必要だということ関して、「支援をお願いしたいと思っても誰に問い合わせていいのかわからない」「体験をして欲しいと思っていて、リソースや人も準備しているんだけれども、どこに話しを持っていったらいいかわからない」「年間の大きな予定(社会科見学など)は3月の現在でほぼ決まっている。その後は突然に予定を入れるのが厳しい。2月下旬〜3月下旬に資料をもらえれば採用できると思う」「謙信キッズプロジェクトでは行政や民間などの活動もあわせて全市的なプログラムにする予定。そういうような役割の人が行政にいると良い」「ペーパー数や情報量はかなり多く、取捨選択が難しい。大事なのはFace to faceの関係。非常に有効」「提供側は資源や教材や時間をたくさん用意してくれていて、学校もそれを求めている。問題はそのマッチング。でもいまは過渡期ではないか」などの意見が聞かれました。

また、体験の質に関して、「学校から海の家に行く。すごくいいところなのに、浜に出るなと指導される。教える人がいないから子どもが育たなくて、教える人も育たないという悪循環がある。形として体験学習はさせたけど、何も残っていない。体験と知識を結びつけるような体系化が必要」「体験と言っても、大きな体験から、学校の中でできる小さな体験まである。学校での小さな体験でも大人と子どもが楽しむことが重要。大人と子どもが一緒になって体験していかなければ、子どもにやらせているということになってしまう」「先生がモデルにまわる。先生が海に毎日触れたり、海が好きだったりすることが重要な要素」といった意見が聞かれました。

体験学習に不足しているものとして、「3大要素は、場、指導者、プログラム。場は既存のインフラを活かすことが大事」「あそこに行けば先進事例や情報が全て揃っているという、その分野のリーダー的な存在がいない」「自然体験を学びに高めるようなプログラムや、それを使う指導者も大事」「最初は知識偏向だったが、次第に体験的な場を作るスキルが重要になっていった。既存のプログラムができる人ではまだ不十分で、その場や起きたことに柔軟に対応し、自分でプログラムを作れる指導者が必要」「子どもたちは自分から体験をしたいとは思わない。保護者が体験のすばらしさをわかっていないから、学校や自治体任せになってしまっている。保護者が探せば体験の場はいっぱいあるはず。体験の価値がもっと啓蒙されることが必要」といった意見が出されました。

その他の意見としては、「体験したことを写真に撮る、絵に書く、それだけでかなり違う。体験が体験で終わらない。体験そのもの自体の価値を見つめていかなくてはならないが、その前後の活動が加わっていく中で、より高まっていくのではないか」「環境というといいものと見がち。いいことの見極めの大切さも子どもたちに提供したい」「どのような情報が教育現場で望まれているのかということが分からない」などの意見が聞かれました。

最後に、渡辺さんからは「今回聞くことが出来たいろいろな意見を、事業を計画する立場として、積極的に使わせていただきたいと思う。活動に価値をつけることを肝に銘じていきたい。特にこの活動はどこに向かっているのかを職員の間で共有することが大事だと感じた。また、活動に楽しんで参加したいと思う」、山下さんからは「続ける、広げるというキーワードで3つ考えていることがある。1つは、記録を残すこと。ポートフォリオなど活動の振り返りや成長のあかしとして。2つ目に、付加価値をつけること。生命尊重、環境保全など、道徳的なものでよい。3つ目に、大人も学び続けること。親を巻き込んでいく。それが続けるポイントだろう」、古瀬さんからは「手法だけではなく、拠点を準備したり、研究機関と連携したりすることも重要である」、田村さんからは「教育のありようや、子どもたちや、これからの海洋教育に対して気運が高まってきていることは明らか。通じ合っていない部分は、今日のような場がまさにチャンスで、これからどんどんとつながりを広げて欲しい。体験は大事であるが、それをいかに確かな学びに高めていけるかという工夫がさまざまなところでなされていて、少しづつ形になっている」というコメントをいただき、討論会が締めくくられました。

■最後に

本討論会では、体験の価値や重要性、そして体験から学ぶを広めていくために必要なことなどに関して、さまざまなご意見を聞くことができました。体験には体験でしか学ぶことができない何かがあることは明らかで、今後はそれを活動の提供側がよく理解し共有することや、体験の価値を広く普及啓蒙していくことが重要なのではないでしょうか。また、海洋教育に関する先進事例や情報を収集し、支援する側と支援される側の橋渡し役となる存在の重要性も指摘されました。更には、体験を提供したいと考えている機関や人がお互いに連携し、事例や情報を交換していくことで、体験から学ぶための手法や場所が整備され、ひいては海洋教育の普及に繋がっていくことと思います。今後も各所においてこのような機会が設けられ、広く海洋教育の普及が進んでいくことを願っております。ご多忙な折、本討論会にご参加頂いた皆様に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。


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