| ニューズレター 第83号 | 2004.01.20 発行 |
- 魚は誰のモノか
横浜国立大学名誉教授、(財)日本釣振興会常任理事◆遠藤輝明 - FRP廃船処理船の提案性
神戸大学海事科学部教授◆鈴木三郎 - 東京港から発信する日本の物流改革
東京都港湾局港湾整備部計画課長◆石山明久 - 編集後記
ニューズレター編集委員会編集代表者(社)海洋産業研究会常務理事)◆中原 裕幸
編集後記
ニューズレター編集委員会編集代表者(社)海洋産業研究会常務理事)◆中原 裕幸◆世界的な資源管理、稚魚・種苗の大量放流による水産資源培養の時代にあって、釣人はそれと無関係に釣った魚を自分のものにできるという考え方のままで良いか、と一石を投じる遠藤ペーパー。水産基本法の検討の際に、魚の無主物先占という考え方に代えて公共信託の理論により国民一人ひとりに代わって国(あるいは地方公共団体)が管理をするという考え方で新しい整理ができないか、という議論があったと漏れ伝え聞く。ところで、文中に何度か出てくるライセンス制度という言葉から20年以上前のことを思い出した。ロサンゼルスの海岸にある桟橋で釣りをしている人が日本の魚市場で見られるような目立つ番号札を付けた帽子をかぶっていたので尋ねてみると、one-day fishing license(一日漁業権)とのこと。今でもこの制度があるかどうかは分からないが、釣りにはこの許可証の購入と表示が必要で、料金収入は漁業管理の一部にあてられるという。
◆廃棄物処理船の構想は、本誌No.49(2002年8月20日)でも呉地域海洋懇話会による提案が紹介されている。鈴木ペーパーはFRP廃船の処理を主題にしたものだが、解決すべき課題の主要なものは技術ではなく法制問題だという点、そして実証実験の実施をと訴える点も同じである。神戸大学海事科学部で旧商船大時代から取り組んでいる多業種横断型廃棄物リサイクル研究会たるEMMTについては編集子も仕事柄名前は知っているが、こうした活動はもっともっと進められて良い。そして行政はこうした動きを支援し、提起された法制上の障害の除去に努めて欲しいのだが。
◆東京港の20年後を見据えた港湾計画の基本方針(中間報告)。その概要を紹介する石山ペーパーは広くそれを知ってもらいたいとの願いが行間から読み取れる。サービスアップ&コストダウン、高機能物流、隣接港湾との広域連携、環境の改善や埋立空港との共存。いずれもそのまま他の大港湾に置き換えてもほぼ変わらないと言えそうで、「港湾の大胆な構造改革」の課題は普遍的。(了)